三里塚の団結花見の会は楽しい。桜の花に囲まれて、酒を飲み交わし、おいしいものをたくさん食べて、大声で歌う。私にとっては、「また春が来たな、今年もがんばろう」と英気を養う場でもある。この花見の会はもう20年以上も続いている恒例の行事だと聞いているが、私が参加させてもらうようになってからはまだ4回目だ。けれども、私の中ではもう欠かすことのできない年中行事になった。
メインの料理は炭火で焼くジンギスカンで、畑の脇や田んぼで採れたノビルやセリ、タラの芽、それに同盟の方たちの畑から直行した野菜と一緒にいただくのは絶品だ。だが、それ以上に私が楽しみにしているのは、同盟お手製の料理である。今年も鈴木いとさんの土筆の煮物は涙が出るほどおいしかったし、市東孝雄さんが漬けたおしんこはおにぎりや炊き込みご飯にバッチリだった。私は、すっごくうまいおにぎりを4つも食べたし、ごぼうやにんじんなど野菜がたくさん入った炊き込みご飯もいっぱい頬張った。
1週間前にこの現地で行われた強風と豪雨の中の総決起集会とはうって変わって、穏やかに晴れ渡った初夏のような日差しの下、満開の桜を眺めながらの宴である。東峰の森伐採工事が切迫している情勢のなか、同盟も現闘も支援も、この一点の曇りもない青空のように突き抜けた明るさでみなぎっている。それは、国家ぐるみの理不尽な攻撃を受けているからこその、腹の据わった反撃の決意があるからだ。午前中に敷地内緊急闘争が行われた萩原進さんの畑は、昨年11月の総決起集会のときにはなかった鉄板の高い塀が四方を囲っていた。最初に見たときには驚きでただ見回してしまったが、次第にふつふつと怒りが湧き上がってきて、すべての人にこの光景を見てもらいたいと強い思いを抱いた。