■3・25集会の成功にむけたアピールを行うため反対同盟は各地区集会に出かけています。その中で、東京南部(2月23日)、同東部(2月27日)、同中部(2月27日)などで読み上げられた萩原進さんのメッセ−ジが反響を呼んでいます。全文紹介します。
ご存じの通り、私たち三里塚の反対同盟は、政府の力ずくの農地取り上げに対して40年にわたる闘いを続けてきました。「三里塚闘争」「成田闘争」という名称は、若い人たちを除けば知らない人はいないでしょう。30年も前ですが、国策としての軍事空港建設に伴う強制収用に対して、私たちは家族ぐるみで体を張って闘い、多くの労働者の支援を得て政府のもくろみを阻んできました。また反戦運動の砦としても、三里塚は大きな役割を果たしてきました。
40年にも及ぶ闘いで、状況も大きく変わりました。土地収用法という法律の効力も失効し、政府といえども強制的に土地を取り上げるすべてを失っていました。ところが昨年から政府は、何と農地法によって、私たち反対同盟の一員である市東孝雄さんの農地を取り上げる挙に出てきたのです。農民を守るための農地法で農地を取り上げる。まったく信じられない出来事です。これが改憲というものなのでしょう。
問題の背後には、日本の農業を潰してしまおうという政府の政策もあります。自動車を海外に輸出するために、外国の農産物の輸入を自由化する交渉が進んでいます。皆さんの賃金を下げるために、安い農産物を輸入する思惑も働いています。新聞は、日本の農業はコストが高く、補助金をもらって怪しからんという論調ですが、日本の農業が壊滅した暁には、皆さんの食卓に何が並ぶことになるかを考えて欲しいと思います。
私たちが皆さんに訴えたいのは、労働者と農民の連帯です。信じられないほど安いコメがスーパーの店頭に並んでいますが、あの値段に小躍りして喜んでいるのは流通を握る大資本であり、泣いているのは農民です。一日中働いても生計が成り立たなくなっているのは労働者だけでなく、農民も同じなのです。コメの値段が下がると賃金も下がります。これを忘れないでください。
海外に食糧を依存するというのが今の政府の政策です。これは戦前と同じです。そのために軍備を増強し、憲法を改悪する。これも戦前への逆戻りです。そのなかで、私たち反対同盟の一員である市東孝雄さんへの農地取り上げ攻撃も起こっているのです。
闘う労働者の皆さん。私たちはともに資本・権力と闘う同盟軍です。ともに改憲と戦争の道を阻む戦列を整えようではありませんか。きたる3月25日、三里塚で全国集会を開催します。多くの皆さんのご参加を呼びかけます。
2007年2月22日 三里塚芝山連合空港反対同盟 萩原進